ドタバタL.A.旅行記　その3

　　　　　　　　　　　　　いよいよ出発編♪

　　　　　　　　　　　出発の前夜、パッキングに取り掛かろうとすると...あれ？スーツケース..

　　　　　　　　　　どこ？押入れにもどこにもあらへん。・・・体中の血が一粒ずつ電流並の速さ

　　　　　　　　　　で頭に上って来て、たちまち顔がパンパンに痛くなってきた。どういうこと？

　　　　　　　　　　　こないだ上の階からの水漏れで押入れの中の物を全部出した時にはスーツケ

　　　　　　　　　　ースなんて無かったに???物置にも無い...あんなでっかい物どこへしもた？

　　　　　　　　　　　冷静になって考えてみると、余りに大きなスーツケースゆえ邪魔になって実

　　　　　　　　　　家に置かせてもろとる事を思い出した。ふう...しゃーないわ。いったんピギ

　　　　　　　　　　ーバッグに荷物を詰め込んでって明日の朝実家でパッキングし直そ。まあ

　　　　　　　　　　どっちみち実家に車を置いて行く予定やったけど、パッキングの時間もあ

　　　　　　　　　　るで早目に出発しやなあかんわ。

　　　　　　　　　　　そんぢゃ、とっとと寝やな。ぺろ吉にも「あんた明日早起きせなあかんで絶対

　　　　　　　　　　早う寝ないな!!!」と念を押してりいと二人夢の世界へ...

　　　　　　　　　　　翌朝、心配性のおいらはアラームが鳴るより前に目が覚めた。荷物の再確認を

　　　　　　　　　　してぺろ吉を起こす。昨日の火曜市で買うたパンを二人で速攻で食べてりいの

　　　　　　　　　　着替え。りいは車の中でゆっくりパンを食べさせればええでな。

　　　　　　　　　　　松阪へ向かう車の中、ぺろ吉が「俺さあ、銀行行ってお金下ろした方がええか

　　　　　　　　　　なあ？」・・・「そんな時間あらへんやろぉぉぉ!!!!!」「あんたがパッキング

　　　　　　　　　　しとる間に行って来るわ♪」・・・こいつ.....

　　　　　　　　　　　実家に着くと二階に駆け上がりおいらの部屋へ。スーツケースをひっつかんで

　　　　　　　　　　えらい勢いで階段を駆け下りる。恵美ちゃんに「あんた相変わらずアホやなあ」

　　　　　　　　　　と言われながら速攻でパッキング。全部袋詰めにしといたおかげで三分とかか

　　　　　　　　　　らず完了★

　　　　　　　　　　　ぺろ吉は..「そんぢゃ行って来るわぁ〜♪」・・・まだ行ってなかったんかい。

　　　　　　　　　　こいつ...どこまでのんきやねん。「あんた、とっとと戻ってこな放ってくに!!!」

　　　　　　　　　　「まだまだ余裕やん♪」・・・絶対放ってったる!!!

　　　　　　　　　　　10分程してぺろ吉も戻って来た。んぢゃ、出発しますか。駅までは車で５分位。

　　　　　　　　　　行きはおいらが運転してくことに。恵美ちゃんが助手席に乗る。「まだまだ!!!車

　　　　　　　　　　来とるよ!!!」「あの白い車が行ったらオッケーやに♪」・・・見えとるよ、恵美

　　　　　　　　　　ちゃん。いや、むしろ恵美ちゃんの頭で向こうが見えやんのさ。

　　　　　　　　　　　駅に着くまで恵美ちゃんはこの調子やった。ま、一応心配してもろとるんやで

　　　　　　　　　　ありがたいと思わなな。

　　　　　　　　　　　松阪駅から名古屋まではJRの「快速みえ」に乗ってく。通勤ラッシュの時間で

　　　　　　　　　　もないし、余裕で席は確保出来た。（ラッシュって言うても三重県のラッシュなん

　　　　　　　　　　て全然混まへんのやけど「快速みえ」は二両編成やですぐいっぱいになるんさ）

　　　　　　　　　　　りいは電車に乗るんも今日が初めて♪さぞかし目をキラキラさしとるやろ...と

　　　　　　　　　　と思たら窓からの日差しがかなりまぶしいらしくめっちゃ迷惑そうな顔...しまい

　　　　　　　　　　には窓の外を見るのさえあきらめて床をじいっと眺め出した。く、暗い...

　　　　　　　　　　「りい♪」と笑顔で話しかけると...あれれ？りいがどんどん遠ざかる...???

　　　　　　　　　　りいはバギーごと走り出した。どうやらストッパーをかけ忘れたらしい。

　　　　　　　　　　　その瞬間向かいのおじいさんと目が合う。「このおかん、何をしでかしとんの

　　　　　　　　　　じゃあああ」と今日の日差し位強い非難の目...えらいすんません...

　　　　　　　　　　　まだ何かしでかすんちゃうか？と疑っとるじいさんを安心させるべくりいを抱

　　　　　　　　　　っこしてええ母さまっぽく外の景色を見せたることにした。じいさんは横目で

　　　　　　　　　　おいら達の様子をうかがう。疑りぶかいじいさんめ...

　　　　　　　　　　　結局名古屋に着くまでりいを抱っこする羽目になりおいらは既にお疲れモード。

　　　　　　　　　　新幹線に乗るまで待合室でちょっと休憩...りいは抱っこで満足したらしく熟睡。

　　　　　　　　　　むむ。ここで熟睡されては機内でちゃんと寝てくれへんのっちゃう？心配や...

　　　　　　　　　　心配でおいら眠れ....へ...ん...ZZZ

　　　　　　　　　　　ちょっぴりの間に熟睡出来たおいらはすっきりこ♪元気良く先頭切って新幹線に

　　　　　　　　　　乗り込む。バギーもスーツケースも座席の前に押し込んで、と。りいはまだ寝とる。

　　　　　　　　　　初めての新幹線をりいが見れやんのはかわいそうやけどこの間においら達はちょっ

　　　　　　　　　　とでもねんねんしとこに。ぐう...

　　　　　　　　　　　りい、いつまで寝とるやろ？心配なんはトンネルやな。静岡あたりで嫌っちゅう

　　　　　　　　　　ほどトンネルあるで耳キーンってなって泣きながら起きてくるんちゃうやろか？

　　　　　　　　　　そんなことを考えとったら眠れやんおいら。横を見るとのん気に携帯で「北斗の

　　　　　　　　　　拳」のゲームをしとるぺろ吉。・・・「あ、あんたさ、静岡でトンネル多くなって

　　　　　　　　　　きたらりおんの耳ふたしたってえな。そしたらキーンってならへんのっちゃう？」

　　　　　　　　　　ふん。ゲームしながらでも一応りいのこと心配しとったか。よしよし。

　　　　　　　　　　　そやけどいざ静岡にさしかかるとトンネル多い、多い...「あ、トンネル!!!」

　　　　　　　　　　（サッ）（りいの耳をふたす）「あ、又や!!!」「え？又？？？」と、こんな調子。

　　　　　　　　　　耳ふたしっぱなしにしたいとこやけどりいが嫌がるもんで出来やへん。

　　　　　　　　　　「ちょっとぺろ吉、あんた右耳担当しなよ!!!」と言うとぺろ吉、それには答えず

　　　　　　　　　　キョロキョロしとる。「ちょっと!!!」「なあなあ、富士山どこに見えるんやろ？」

　　　　　　　　　　・・・見ると車内のあちこちでキョロキョロしとる人らがおる。「やっぱさあ、

　　　　　　　　　　富士山は見とかなあかんやろ???」・・・ま、見たい気もするな。で、二人して

　　　　　　　　　　キョロキョロ探し始める。「何か『いかにも富士山探してます』みたいに思われる

　　　　　　　　　　んも嫌やなあ」「誰かここで『あ、富士山や!!!』って叫んでくれたらさあ、「あら

　　　　　　　　　　まあ、そんぢゃせっかくやで見てみよか」みたいな感じで見れんのになあ...」なんて

　　　　　　　　　　言いながら目だけで富士山を探すおいら達。絶対車内の人の大半はひそかに富士山

　　　　　　　　　　を探しとるに違いないわ!!!

　　　　　　　　　　　でも結局富士山は見つけられず東京に着いてしもた。ちょっぴりしょんぼりんこ。

　　　　　　　　　　何か幸先悪いんちゃうん？嫌な事起こるんちゃうん？？いやいや、そんな訳ないさ。

　　　　　　　　　　気を取り直していこう!!!まずは何かお腹に入れて...時間も無いでおにぎりを買うて

　　　　　　　　　　成田エクスプレスに乗り込む。いよいよロスに行くんやなあ...周りも旅行支度の人

　　　　　　　　　　ばっかり。旅行の気分も盛り上がるってもんさ♪

　　　　　　　　　　　成田空港までは約50分。ようやく起きたりいは流れる電光掲示板に興味を引かれつ

　　　　　　　　　　つでっかいおにぎりを二個、ぺろりと平らげた...

　　　　　　　　　　　成田空港に着くと集合時間までにはまだ二時間弱ある。ま、ちょっと回って来る

　　　　　　　　　　とするか。後で何か食べるお店も物色したいしな。「あ、前にデビッド来た時お土産

　　　　　　　　　　いっぱいもろたで何か買うてかな!!!」とぺろ吉が言い出した。何がええやろ...

　　　　　　　　　　「日本らしいもんがええかなあ？」とぺろ吉が指差す先には天狗のお面...おいおい。

　　　　　　　　　　普通に要らんやろ...真面目に探せよ。

　　　　　　　　　　　そうこうしとる内に集合時間や。下に下りてくともう結構集まっとる。何かいかに

　　　　　　　　　　も団体さん、って感じ...受付カウンターにも思いっきり「C.C.レモンご招待ツアー」

　　　　　　　　　　って書いてあるしさあ。

　　　　　　　　　　「搭乗口には４時５０分に集まって下さい」はいはぁ〜い。そんぢゃ、何か食べに行

　　　　　　　　　　くとするかね。さっき目をつけといたそばのお店。どんぶりとのセット物があるで

　　　　　　　　　　がっつり食べよに♪

　　　　　　　　　　　しかしさっきおにぎりを２個も食べたりいに半分以上おそばを食べられ、おいら

　　　　　　　　　　はまだまだ空腹状態。でもまだデビッドのお土産も買うてないし...泣く泣く我慢し

　　　　　　　　　　て店を出る。あ、そうや!!!りいにお薬も飲ませやなあかんやん。近くにあったお店で

　　　　　　　　　　アイスを買うて薬を混ぜ、りいに食べさせる。何にも知らんりいはうれしそうにパク

　　　　　　　　　　パクねむねむアイスを頬張った。

　　　　　　　　　　　ぺろ吉がデビッドへのお土産を見にナイキのショップに行っとる間、おいらは残っ

　　　　　　　　　　たアイスを頬張る。そうそう、薬がどれ位で効いてくるか分かるようにりいが薬を

　　　　　　　　　　飲んだ時間を見とこ。１６時５０分ね。

　　　　　　　　　　　さてと、デビッドへのお土産は決まったかね？ぺろ吉はオレンジのパーカとお揃い

　　　　　　　　　　の帽子を気に入ったらしい。ふんふん、ええんちゃう？ぢゃ、包んでもらおに★

　　　　　　　　　　ギフト用に包んでもろて準備は万端♪

　　　　　　　　　　　下に下りて搭乗口へ。セキュリティチェックはなぜかいっつもおいら引っかかる

　　　　　　　　　　んさ...あれれ？大丈夫やった...と思ったのもつかの間ぺろ吉が捕まっとるやん。

　　　　　　　　　　何回もウエストバッグの中を見たりするけど原因は分からずじまい。怪しい物も見

　　　　　　　　　　つからんだで（当たり前やけど...）数分後に通してもらえた。次は出国審査...

　　　　　　　　　　「１７時２０分のJAL６５便でロスへご出発のちゅみ吉一家様ぁぁぁ」誰かがおいら

　　　　　　　　　　達を呼んどる。え???何で???「はぁ〜い!!!」元気良く手を上げるおいら。

　　　　　　　　　　　係の女性はおいら達を確認すると前に並んどったおばちゃんらに「すみません、

　　　　　　　　　　出発の迫ったお客様が見えるので順番を変わって頂けませんか？」と頼んだ。

　　　　　　　　　　　快く順番を替わってくれたおばちゃんらにお礼を言いつつ、おいらはまだ「え？

　　　　　　　　　　何でそんなに急いどんの？」と思とった。係りの人に「もう出発の時間ですよ」と

　　　　　　　　　　言われて初めて事の重大さに気づく...「走って下さい!!!」搭乗口までみんなで猛!

　　　　　　　　　　ダッシュ!!りいの首がぐらんぐらん揺れとるけどしゃあないわ。く、苦しい。こん

　　　　　　　　　　な全力疾走したん何年ぶりやろ？一緒に走っとる係の女性が「あと少し!!頑張って

　　　　　　　　　　下さい!!!」とトレーナーのごとく応援してくれる。走らん訳にはいかんわな。

　　　　　　　　　　　来る時に見損ねた富士山...富士山を見れやんだ代わりに富士山に登った位の

　　　　　　　　　　苦しさを味わった。幸先がええんか悪いんか...どっちにしてもやっぱりドタバタ

　　　　　　　　　　珍道中になるのは間違いない...

これからロスへ出発さ♪	いきなりドタバタ珍道中になるなんて...

　　　　　　　　　　　　　おまけの話♪

　　　　　　　　　　　ロスへ出発する前日。ぺろ吉のおとんからメールが入った。ぺろ吉のおとんのメ

　　　　　　　　　　ールはなぜかやたらと「、」が多い。読みやすくする為なんかも知れんけど、変な

　　　　　　　　　　とこに「、」が入っとるもんでかえって読みにくい。

　　　　　　　　　　　で、問題のメール。原文をそのまま紹介します。

　　　　　　　　　　ロス、気をつけて、大丈夫と、思うが。可哀、りをんにも、気をつけて、（*＾＿＾*）

　　　　　　　　　　　言いたいことは山ほどあるけど止めとくわ...