オーストラリアに住むぞ!!!その4

 

             楽しい毎日♪

 

           夜逃げならぬ朝逃げをやってのけ、新たな第一歩を踏み出した私たちの生活は、それはもう

          「楽しい♪」の一言に尽きた。

          朝は早起きして近くのお店で買ったサンドイッチなんかを海辺で頬張る。これ以上ないほど

          きれいに晴れ上がった空。美しい、という言葉で表現するのは何だか申し訳なくなるような海。

          憧れの老夫婦らに混じって散歩も楽しむ。思い切って来て良かった。そう思わない日は無かった。

           老夫婦と言えば、外国人のおばあちゃんたちは本当にきれいだ。日本の、特に私が住んでいる

          所などでは(いわゆる田舎)、みんな地味な服を着てうつむき加減で歩いているのが一般的だけど

           こっちでは赤やピンクや、きれいな色の服を着てしゃんとして歩いてる。みんな幸せそうだ。

          私も常々そうありたいと思っていたからやっぱりここが自分の居場所なんだと確信した。

 

           オーストラリアにいる間に私が挑戦した事の一つに「スキューバダイビングのライセンス取得」

          がある。にこぴ〜を誘うと「留守番してる」との事。無理に付き合いをしないのが彼女の良い所だ。

           パラダイスセンター近くのショップに行くと、阿部さんという店長がライセンスについて色々話

          してくれた。4日間のコースが一般的らしい。「3日で取っちゃいますか」(は???)

          まあ、取れるんならええか、と思い、次の日に講習を受けに行く。と言っても生徒は私だけ。用具の

          説明から水中でのコンタクトの取り方など色々教わる。新しい事を勉強するのは楽しいものだ。

          家に帰って早速にこぴ〜に今日の出来事を報告する。「ふ〜ん」にこぴ〜の反応は今ひとつ...

          彼女も私も人の話を聞かないタイプなので、相手がしゃべっている間は次に話す事をひたすら考え

          ている。彼女も今日の夕飯作りの奮闘ぶりを伝えたくてたまらないのだ。テーブルの上を見ると

          それがひしひしと伝わってくる...って、あんたが作ったんスープだけやん!!!

 

           翌日にテストを受けて無事合格し、最終日は実際に海での実技だった。私の他に4〜5人の生徒が

          いて、自己紹介をした後いよいよ海に潜る事になった。ウエットスーツに着替え、おもりを付け、

          ゴーグルを付ける。準備は万端だ。いざグレートバリアリーフの海へ!!!しかし私には一つ心配な

          事があった。

           実は私、ダイビングには必要不可欠な「耳抜き」が出来にくい。と言うのは昔、鼓膜を破った

          経験があるから。耳かきをしている時に人がぶつかって破れたのだ。本当に「バリッ」という音が

          して翌朝には耳いっぱいに血が溜まっていた。病院に行くと「鼓膜、完全に破れてるね〜」とサラッ

          と言われ、まるでセロファンみたいな人工の鼓膜を入れたのだ。(しかし、鼓膜は再生するので今は

          セロファンを私の皮膚が覆っている、はず)

           心配を抱えながら海に入っていくと、そんな心配も吹っ飛ぶような光景が私を待っていた。海の底

          に沈んでいくにつれ、深い青色の世界に包まれ、聞こえるのは自分の呼吸の音だけ。もっと沈んでい

          く...と徐々に耳が痛くなってくる。耳抜きを...う〜ん。出来ない。もっといきんでみる。出来ない。

          悪戦苦闘している内に痛みはどんどん激しくなり、ついには一人で勝手に水面まで戻ってしまった。

          慌てて上がってきた阿部さんに怒られる。「耳抜き出来ないよ〜」っていうサイン習っとくんだった。

           それにしてもグレートバリアリーフの海の中は感動するほどきれいだ。餌を差し出すと色とりどり

          の魚たちが集まってくる。「お〜♪」と声にならない声が出てしまう。見上げるとわずかに日の光が

          差し込んでいる。音の無い、静かな時間。それぞれが思い思いに水中を漂う。

           さあ、そろそろ上がりますか、という段になって突然一人の男の子が慌てだした。ただ事ではなさ

          そうだ。阿部さんが彼に近づいていく。何かと思えば彼のボンベの空気が無くなっている。誰が抜い

          たの?抜かれた訳ではなかった。太り過ぎている彼は必要な空気の量も半端では無かったのだ。

          彼以外は半分以上空気が残っていたのに...阿部さんに空気をもらいつつ、みんなで水面に戻った。

          私も無事ライセンスが取れ、上機嫌で帰宅。

           にこぴ〜は留守番をしながら洗濯をして晩ご飯の用意もしてくれていた。今日もまた彼女の奮闘

          ぶりを表わすべく温かなスープがテーブルに並んでいる。それに加えて私の大好きなシナモンドー

          ーナツも買ってくれてあった。このシナモンドーナツはパシフィックフェアというショッピングモ

          ールに売ってて、一個2円位なのにめっちゃ美味しい。私がこれまで食べた中で一、二を争う。

          一番の座は三年前にロスのクリスピークリームに奪われた。話は反れるがここのドーナツはとんで

          もなく美味しい。まず作っている工程を見られるのも楽しいし、注文の時にまるごと試食もさせて

          くれるのだ。この店が日本に入って来たらミスター...は存続の危機にさらされる事間違いなし。

           当然の事だけど、私たちの英語は半月経っても全然上達しなかった。買い物に行ってパスポート

          の提示を求められ、余りの写真写りの悪さに「different!!!!」と叫ばれても言い返すことも出来ず

          へらへらと笑うしかなかったし、タクシーに乗って遠回りをされても文句も言えない。特に私は落ち

          込んだ。「英語の勉強」をする為に来たはずなのに毎日やる事と言えば食べて飲んで買い物して...

          何やってんだ!!!こんな事ではいけない!!!私たちは考えた。

 

          「もしもし」「心配してたんだよ、どうしたの。いきなりいなくなっちゃって」私たちはKさんに

          又電話をかけていた。「身の危険を感じて逃げ出しました」とはさすがに言えず、アクエリアスが

          予算的に厳しかった、と説明した。彼は私たちの事を本当に心配してくれていた。彼は本当に

          「ただただ良い人」なのであった。

           Kさんはそれからちょくちょく私たちのコンドに食料を持って来てくれたり、料理を教えてくれた

          り、友人との集まりにも誘ってくれた。Kさんのおかげで私たちの世界がぐ〜んと広くなった。

           お鍋でご飯を炊く方法、カルボナーラにフレンチトースト、みんなKさんが教えてくれた。今でも

          それらの料理をするとKさんを思い出す。「一期一会」が私の好きな言葉になったのはKさんと出会

          ったのがきっかけなのだ。

           英語を勉強する、という一番の目標は最初のオーストラリアの滞在では達成出来ずじまいだった。

          ただ、それ以外に大きな収穫があった。Kさんとの出会いは勿論だけど、どこに行っても大丈夫!!!と

          いう度胸もついたし、何より「オーストラリアに住む」という目標が見つかったのだから。

           楽しかった時間が過ぎ、日本へ帰る日、Kさんの手配してくれたリムジンで空港に向かう途中、

          ドライバーのおじさんに「本当は帰りたくない」と言ったら「ぢゃ、ここに住めば?」と事も無げに

          そう言われた。この気楽さが良い。

          「いつか必ず戻って来る」私はそう心に誓った。

 

Click Here!




オーストラリアに住むぞ!!! その2 その3 その4
その5 その6 その7 その8
その9 その10 その11 ">その12

 

トップページ ちゅみちゅみのプロフィール 息子、利匡のこと書いてます 利匡の写真館です お世話になったサイトや行きつけのサイトです 

懸賞応募で当たった物や懸賞に当たるコツなど色んな事を書いてます 仲良しのみなさんから頂いた物を紹介しています♪ 私のお小遣い稼ぎについて書いてます オーストラリアへの移住記です その他色々書いてます 

りいのはじめの一歩クイズ応募してね ドタバタ旅行記始まります ぜひ足跡を残していってくださいね ちゅみちゅみの日記です メール待ってまーす!

 

  

 

 

 

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送